ソーシャルネットワーキングサービスの利用上の注意

X(旧ツイッター)やLINE、InstagramなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、デフォルトの設定(何もしない最初の設定)では、多数の人々があなたの発言を見るようになっているものがあります。親しい友達以外の多くのひとびとが閲覧することを考えて投稿・発言をしましょう。

事実の根拠がなく、公共性がないうえ、社会的利益にはならない誰かの悪口を書いたり、誰かの知られたくない秘密をばらしたりすること、誰かが困惑し恥ずかしい思いをする写真・画像などを投稿・公表することは、名誉毀損になったり、深刻な人権侵害(プライバシー侵害など)を及ぼすことがあります。こうした行為は卑劣であるだけでなく、刑事罰(懲役や罰金)や損害賠償等によって、法的な責任を取らされることがあります。絶対にしないようにしましょう。

バイト先に来た有名人や変わった人の画像・映像などをSNSで公開して問題になるケースもあります。誰かの容貌や誰かの個人情報などを勝手にSNSで公開することは、撮影された状況やその紹介の仕方によっては、その当人に心理的な危害を加えたり、社会的評判を落とす、侮辱に当たるなどの可能性があります。プライベートな状況での撮影の場合、肖像権侵害・プライバシー侵害に当たる可能性があります。肖像権侵害・プライバシー侵害に当たる場合や、社会的評判を落とす(名誉棄損・侮辱などに当たる)などの可能性がある場合、法的な責任を取らされる可能性があります。また、常識に外れた行為をすることで、あなたが勤務するお店など、あなたや関係者の信用を落とす可能性もあります。

実際、これまで非常識な行為をX(旧ツイッター)などに写真付きで公開し、拡散されて大炎上したケースが多々見られました。結果として店舗内でのアルバイト店員の非常識行為を公開された飲食店が倒産するまでに至ったケースや、客の不潔行為が公開されて社会的に大きな問題になったケースでは、それらの行為をした当人に損害賠償請求の訴えを起こされました。のちに損害賠償金を支払っての和解や調停を受けていますが、仲間内だけと思っていた軽はずみな行為が大きな金銭的代償や社会的制裁という代償を自分にもたらす可能性をしっかり考える必要があります。

なお、公共性があり、社会的に利益があり、正当な根拠がある批判は、社会にとって必要です。自分自身が世の中に発信しようとする情報がどのような意味があるのかを考え、発言・投稿すべきかどうか判断しましょう。自分で判断がつかない場合には、信頼できるおとなに相談しましょう。

X(旧ツイッター)で鍵をかける

X(旧ツイッター)はリツイート(2024年現在は、リポスト(RP)と呼ばれます)による情報の拡散力が強いので、ネット上の口コミを活用するマーケティングで積極的に使用されることがあります。その反面、多くの人が、当初の情報の文脈を無視してさまざまな情報を受け取ることから、炎上する危険も大きいことが知られています。X(旧ツイッター)で炎上の危険をできるだけ避けながら(完全に避けることはできません)、安心して友達とコミュニケーションをとるためには、「鍵」をかけます。

鍵をかけておけば、あなたの発言は、フォロワー以外には非公開になります(ただし、鍵をかけていないフォロワーの誰かがコピペをして投稿すれば、フォロワー以外にも情報が拡散することには注意しましょう)。また、あなたのフォロワーになりたい人は、あなたの許可を得なくてはいけませんので、自分の友人以外はフォロワーにしないなどの対策が取れます。

      1. ブラウザ版ツイッターで説明します。ツイッターにログインしたら、タイムライン左の「もっと見る」をクリック(またはタップ)し、「設定とプライバシー」を選択。

      1. 更に開いた画面で「プライバシーと安全」をクリック(またはタップ)して、次に「オーディエンス、メディア、タグ付け」をクリック(またはタップ)

      1. さらに開いた画面で、「ポストを非公開にする」のチェックボックスをクリック(またはタップ)して、オンに。これで、鍵をかけることができます。

      1. 次の画面では、「非公開にする」を選択(クリック、またはタップ)。

      1. 「鍵」マークが出れば、OK。「鍵」をかけることができました。

    講義や講演会中のつぶやき、書き込みへの配慮

  1. 講演会や学会・研究会等のX(旧ツイッター)による実況は、リアルタイム性のある報告として定着しました。
  2. しかし、大学の講義や講演会などによっては、X(旧ツイッター)やその他のSNSや映像等を活用するインターネット実況を禁止するものもあります。みなさんが受講する講義や講演会でも、X(旧ツイッター)などで実況をしてよいかどうかは、それぞれの講義・講演会のルールや、教員にX(旧ツイッター)などでの実況をしてもよいか聞いたうえで、教員の指示に従ってください。講義や講演会がクローズドな場だからこそ、信頼にもとづいた重要な話ができることもあるのです。
  3. また、講義での教員の話や提示される資料は著作権があると考えられます。メディアに固定されていない情報であっても、その人の個性が現れる形で表現されているもの(「思想又は感情を創作的に表現したもの」(著作権法2条1項1号))であれば、著作権がある情報(著作物)であると一般的に考えられます。この著作権の観点からも、X(旧ツイッター)による実況中継が問題になる場合もあります。